動物実験の7割を代替できるTissUseの人工臓器チップ 

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2014年度にドイツ国内で薬品の毒性試験などの動物実験に使われた動物の総数は約300万匹。 しかし、 動物を使った毒性試験をクリアしても、 その薬品がヒトにとっても安全かどうかはわかりません。動物実験に合格した薬品はさらにヒトで臨床実験を行いますが、合格するのはそのうちのごく僅か。大部分の試験薬は医薬品となって市場に出ることはありません。

 

実験に使われる動物の数を減らし、医薬品の試験の効果を高めようと、ベルリン工科大学のスピンオフ企業、TissUseは、動物実験の7〜8割を代替できると期待される人工臓器チップを現在、開発中です。

 

同社のコンセプトはhuman-on-a-chipスマートフォンサイズのチップ上に複数の人工臓器を載せ、心臓と血管を模倣するポンプとホースを繋いだ、いわばヒト体内のミニチュア模型です。このチップの画期的な点は、試薬に対する個々の臓器の反応だけでなく、臓器間の相互作用も同時にテストできること。薬品に対するヒトの体の複雑な反応をより正確に知ることができます。(図はクリックで拡大します)

 

TissUse - Multi-Organ-Chip Platform - Technology-Information (© TissUse)

TissUse – Multi-Organ-Chip Platform – Technology-Information (© TissUse)

 

TissUse - Multi-Organ-Chip Platform - Technology-Information (© TissUse)

TissUse – Multi-Organ-Chip Platform – Technology-Information (© TissUse)

 

チップはオーディオカセットのような形をした透明なスライド。

TissUse - Multi-Organ-Chip Platform - Technology-Information (©TissUse)

TissUse – Multi-Organ-Chip Platform – Technology-Information (©TissUse)

 

 

TissUseではこれまでに2臓器と4臓器の2種類のプロトタイプを使って、多くの実験を実施しています。 主な臓器の組み合わせは、皮膚と肝臓、大腸と肝臓、または神経細胞と肝臓だそう。

 

チップに使われる人工臓器は外科手術の際に出た皮膚の断片など、ヒトの細胞を培養させて作成します。大きさは本物の臓器のほんの10万分の1ほど。ヒト由来の細胞を使うことで、動物実験よりも正確に薬品の安全性を評価することができるそうです

 

2018年には10種臓器チップが完成予定。今から10年後には人工臓器チップを使った毒性試験が当たり前になるだろうと、開発チームは考えています。そしてさらに、患者ごとにその人の細胞を使ったオーダーメイドチップを作成できるようになれば、医薬品の開発は大きく変わるかもしれません。

 

早く実用化されて、実験に使われる動物が減るといいなあと、とても期待しています。

 

参考:

Chip ersetzt Tierversuche

TissUse Website

 

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動物実験代替法の開発 ドイツの現状

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