人工DNAで盗難対策 独警察が推奨
先日、近所のスーパーへ買い物に行ったら、駐車場に警察のワゴンが停まっており、その前に置かれたテーブルの後ろで警察官達が何かを説明していました。
何だろうと近づいてみると、「最近、地域で泥棒が増えている」とのことで、住宅侵入窃盗対策の案内でした。ドイツの住宅のドアや窓はかなり頑丈にできているのですが、それでも住宅侵入が絶えないようで、様々な防犯メカニズムを備えた窓の見本が置かれ、テーブルの上にはカタログやパンフレットが積んでありました。
ふと、一枚のチラシが私の関心を引きました。
「人工DNAで所有物を守りましょう」
人工DNAを使った防犯とはどのようなものだろう?と興味が沸き、そのチラシを持ち帰って、調べてみました。
人工DNAは、 生物学的DNAと同じ方法で解読することができる合成の塩基配列。この塩基配列を含む液体を物体の表面に塗ることで、盗難を防止し、また盗まれた物体の所有者を判別するという製品および解析サービスです。溶液の塩基配列は製品チャージごとに一つ一つ異なり、 購入者個人のコードとなります。
人工DNA溶液を盗まれたくないもの(自動車や自転車、パソコン、店の商品など)に塗布しておけば、販売業者のデータバンクに登録されたコードデータと照らし合わせることで盗まれた物の所有者を特定できます。溶液は乾くと透明になり見た目はいつもと変わりませんが、 UVライトを当てると識別できます。
綿棒または製品キットに含まれるアプリケーターを使って簡単に溶液を塗布することができ、非常に剥がれにくいため、有効な盗難対策としてドイツ警察が利用を推奨しています。(警察が特定の業者を推薦しているわけではありません)2009年にブレーメン市で一般家庭および学校・ガソリンスタンドなどに無料で人工DNAを配布するパイロットプロジェクトが開始されました。初年度のプロジェクト実施地域における住宅侵入窃盗件数は前年度の28件から13件に減少するなど、かなりの効果が見られたようです。
こちらは、SDNA社の家庭用キット。20mg入り溶液と警告用ステッカー、キーホルダー型UVライト、アプリケーター2本が入って75ユーロ。データバンクに登録されたコードは5年間、警察がアクセスできることになっており、5年ごとに契約延長が可能です。
効果がなかった(人工DNAを塗布したにもかかわらず盗まれた)場合には、全額返金してくれるそうですよ。
ご興味のある方はこちらへ直接お問い合わせください。
参考:
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