科学はみんなのもの シチズンサイエンス・イベント、「Science & People」に参加しました

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市民が科学研究に能動的に参加するシチズンサイエンスの動きがますます高まって来ました。市民参加型の科学プロジェクトがどんどん発足しています。

 

当ブログでは、これまでにドイツを中心に欧州の動きの中からいくつかの例を紹介して来ました。

シチズンサイエンスのプロジェクトって、具体的にどんなものなの?という方は是非、以下の過去記事をお読みください。


インターネットとオープンサイエンス

シチズンサイエンスプロジェクト、Evolution MegaLabに参加してみました

ハリネズミを見つけたら報告しよう!スマホアプリによるオープンサイエンスプロジェクト

独テレコムのスマホゲーム「Sea Hero Quest」で遊んでアルツハイマー研究に貢献しよう

バイオハッキングに挑戦してみる?個人用バイオ実験ラボ、Bento Lab


 

ドイツのシチズンサイエンス普及プラットフォーム、Bürger schaffen Wissenは、このたび市民啓蒙イベントシリーズ、Science & Peopleを開始しました。その第一回目が6月23日、ベルリンで開催されたので、私も行って来たので、今日はそれについてレポートします。

 

イベント会場はベルリンの目抜き通り、ウンター・デン・リンデンにあるMicrosoftDigital Eaterly

 

 

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カジュアルな雰囲気の会場。早く着き過ぎて会場準備中でしたが中に入れてくれ、飲み物を買おうとしたら「イベント参加者なら代金は要らないよ」と言われました。

 

極めて気楽な雰囲気の中、3人がプレゼン。最初のプレゼンテーションはBürger schaffen Wissenのメンバーによる「シチズンサイエンスとは?どんなメリットがあるの?現在の動きは?」というざっくりとしたお話。続いて、ブレーメンの海洋学研究者によるシチズンサイエンスプロジェクト、「Ocean Sampling Day」の紹介、そして非営利シンクタンク「DayBiomimicry Germany」の紹介がありました。

 

シチズンサイエンスのプロジェクトは科学者の市民への呼びかけで開始し、科学者がデザインしたフォーマットに沿って一般市民参加者がデータを集めるスタイルが多いですが、行政のイニシアチブで実施されることもあります。また、市民は単発のプロジェクトに参加するだけでなく、特定分野の研究に継続的に関わることもできます。たとえば野鳥愛好家は趣味で蓄積した知識を活かし、長期に渡って野鳥に関する研究に貢献することができますね。

さらに、科学者側の要請ではなく、市民自らの関心によりプロジェクトを立ち上げ、その分野の専門家に協力を仰ぐというボトムアップの研究も

 

シチズンサイエンスには以下のようなメリットがあります

  • 市民がデータ収集に参加することで、多くのデータが得られ、科学研究の質が向上する
  • 非専門家のアイディアを取り入れることで新しい科学研究の可能性が開ける
  • 科学研究の結果を社会全体で評価することができる
  • 科学者と市民の間のコミュニケーションが円滑になる
  • 科学研究の透明性の向上に繋がる
  • 研究結果の実社会への応用がスムーズになる
  • 市民の科学リテラシー向上に繋がる
  • 市民が社会における問題の解決のために具体的な貢献ができる
  • 科学研究の楽しさを市民が味わうことができる

 

今回紹介のあったプロジェクト、Ocean Sampling Dayは、誰にでも簡単に使える海水サンプリングキットを配布して世界各地の人々にサンプル採取を手伝ってもらおうというもので、大変多くの人が参加し、うまく行っているシチズンサイエンスの一例です。詳しくは以下の動画をどうぞ。

ドイツでは今年が「海洋学研究年」に指定されていることから、多くの海洋学に関するプロジェクトが立ち上げられ、一般市民への啓蒙活動が活発になっていますが、このOcean Sampling Dayはその一環として本年度も多くの市民の参加を得、1000を超えるサンプルが集まっているそうです。

 

また、Biomimicry Germanyは自然界からアイディアを得て新しい技術を生み出そうという学問、バイオミミクリーに一般市民に参加してもらうためのプロジェクトで、ベルリンの自然史博物館にて定期的にワークショップを開催しています。私も一度参加したことがありますが、とても楽しいワークショップでした。以下の過去記事で内容を紹介しています。

 

大人のためのサイエンスワークショップ

 

 

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プレゼンの後の質疑応答では、シチズンサイエンスに対する以下のような懐疑的意見とそれに対する回答がありました。

 

Q 素人の集めるデータは精度が低く、逆に研究の質を低くするのでは?

A 学位を持たない人の取ったデータは使えないという一般化は妥当ではない。科学者のデータならば精度が高いとは必ずしも言えない。大切なのは、データのばらつきを極力抑えるようにデータ収集をデザインすることで、それは専門家である科学者の役割だ

 

Q ビジネスにおけるアウトソーシングが進んで、フリーランスワーカーの賃金がどんどん低くなって行っているように、シチズンサイエンスも一般人にタダ働きをさせる仕組みとなってしまうのでは?

 

A ビジネスと異なり、シチズンサイエンスのプロジェクトはあくまでも任意であり、興味や熱意のある市民が参加するので、搾取という状況は起きにくい

 

まったくデメリットがないわけではないでしょうが、多くの人が科学研究に参加することにはメリットが多いのだろうと私は感じましたし、面白そうなプロジェクトを見つけたら、ぜひ参加してみたいです。

 

Science & Peopleのイベントシリーズ、次回は9月に「オープンな大学とは?」というテーマで開催するそうです。スケジュールが合えばそれにも参加しようと思っています。

 

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