教育コンテンツをクラウドベースに 独政府とハッソ・プラットナー研究所がプロジェクト”SchulCloud”を開始

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(phase6 News/Flickr)

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社会のデジタル化が急速に進む中、学校教育を時代に合ったものへとアップデイトして行くことは国の重要な課題の一つです。学校は子どもが世の中に出て生きて行くための準備の場。国は、ますます複雑化する情報化社会に対応する力を生徒が身につけることのできるような教育内容を提供して行かなければなりません。

 

現在、ドイツの学校に設置されているコンピューター機器やソフトウェアは多くが古くなっており、使用の機会も限られています。メンテナンスのための人員の確保やコストも、教育現場でITインフラが効果的に使われない要因となっていました。

 

しかし、ドイツの学校教育におけるデジタル化が大きく前進しそうです。ポツダム所在のハッソ・プラットナー・インスティテュート(HPI)は、連邦教育・研究省、そして数学・理科に重点を置く学校の全国ネットワーク(MINT EC)とともに、学校教育コンテンツのデジタル化に向けたパイロットプロジェクト、”SchulCloud”を開始しました。

 

このプロジェクトの目的は、学習コンテンツ用クラウド環境の構築です。教材をデジタル化することで教師・生徒・保護者の誰もがインターネットを使い、いつでも学習コンテンツを利用できるようにすることを目指します。現在、紙の教科書や学校に設置された個々のパソコン上に分散されているコンテンツをクラウド上にまとめることで、さまざまなメリットが期待できます。

 

  • いつでも、どこからでも学習教材にアクセスできる
  • 学校への高価なパソコン機器の設置が不要に
  • 教師は手間のかかるシステムのメンテナンスや管理から解放される
  • 教師も生徒も最新のデジタル機器やソフトウェアを使用できる
  • プロがメンテナンスを行うことでデジタルメディアの安全性が維持される
  • 質の高いデジタル教育コンテンツの市場が活性化される
  • デジタル教材をユーザーが直接評価できる
  • 教師および生徒の自発性を高める
  • (生徒を含め)誰もが独自の学習機会(補習授業のオファーなど)を 提供できる
  • 学校は授業の質を高め、同時にコストを削減できる
  • 重たい教科書を運ぶ必要がなくなる

( Hasso-Plattner-InstitutのHPより)

 

 

ドイツの学校で使われる教科書はA4サイズのハードカバーが多く、かなり重いです。そのため、体の小さな小学生も重いランドセルを担いで登下校しなければなりません。また、教科書は貸与制で、同じ教科書を順に下の学年に引き継ぎますが、何年か経つと内容が古くなってしまうという問題があります。デジタル化により簡単に内容をアップデイトできるようになることは、大きな改善と言えるでしょう。怪我などで授業を欠席中の生徒が自宅学習をする際にも、インターネットで授業の内容を確認できたら便利ですね。

 

また、育児をした経験から思うことなのですが、子どもはよく忘れ物をするんですよね。授業に必要なものを学校に持って行くのを忘れたとか、学校に教科書を忘れて来たから宿題ができないとか、、、。そんなありがちな問題もクラウド活用で解決しそうですね。

 

今月、ワンカ教育相は、最大500万ユーロの予算を投入し、今後5年以内に国内のすべての学校にwifi環境を構築すると発表しました。教師の側からは批判的な意見も出ており、これから議論が沸き起こりそうですが、どうなるでしょうか。注意して見ていきたいと思います。

 

参考:

Die SchulCloud – Niedrigschwelliger Zugang zu digitalen Unterrichtsinhalten

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