難民の 受け入れに乗り出すドイツの教育・研究機関

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現在、多くの難民が欧州へ避難して来ています。

難民の中には高等教育を受けた人、またはその資質を持つ人々が少なくありません。私が難民支援組織で働く複数の人から聞いたところによると、難民の多くは英語を話すことができ、言葉の問題はそれほど大きくないそうです。祖国では研究職に就いていた人もかなりの数に及ぶのではないかと言われています。

(Image: Montecruz Foto/Flickr)

(Image: Montecruz Foto/Flickr)

 

今年10月、フラウンホーファー研究機構はアカデミックな背景を持つ難民を積極的に研究機関へ受け入れるためのプロジェクト「インテグレーション」を開始すると発表しました。

プレスリリースによると、このプロジェクトでは、ドレスデン市とエアランゲン市をパイロット都市に指定し、年間100人の難民を研究機関に受け入れるとしています。

 

この発表を皮切りに、難民を積極的に受け入れようという動きがドイツ国内の大学や研究機関で広まっています。

  • ベルリン工科大学は25人の難民を学生として受け入れることを決定。無料のドイツ語講座を提供する他、学業の間、難民の学生にはメンターをつけると発表。
  • ベルリンのフンボルト大学は、難民に聴講生として授業を受ける機会を提供。ベルリン自由大学ではHPに難民のためのウェルカムページを開設また、同大学は国際難民支援プログラム“Scholars at risk”に参加しており、 現在、5名のシリア難民研究者及び1名のイラン人研究者1名に奨学金を供与している。
  • ライプツィヒ大学は、アカデミックな背景を持つ難民とドイツ国内の研究者とがネットワークを構築できるようにと、今年9月、オンライン・プラットフォーム“Chance for Science”を開設。
  • チュービンゲン大学では、ドイツ語講座や聴講生資格の提供の他、難民とドイツ人(及び外国人)学生が共にメディアにおける難民報道について議論できるセミナーを実施。
  • ベルリンの大学生グループは、難民のための英語によるオンライン大学、Kiron Universityを開講。

 

これらは例のいくつかに過ぎません。

そして、このような動きは各教育機関自らのイニシアチブによるものだけではありません。ドイツ政府は2016年度に2700万ユーロを拠出し、 高等教育機関の難民受け入れを支援します。

 

フラウンホーファー研究機構と共に、総合研究機関ライプニッツ協会及びマックス・プランク研究所も難民に学術講座や実習の機会を提供する意思を見せており、同様にドイツ学術交流会 (DAG) とヘルムホルツ協会も支援プログラムの準備に乗り出しました。 アレクサンダー・フォン・フンボルト財団は、プログラム “Philipp Schwartz-Initiative” を通し、 戦争や迫害により研究活動を続けられなくなった外国籍研究者に奨学金を支給します。

 

ドイツ学術交流会が今年度冬学期、シリアからの難民に対し200の学籍を用意したところ、5000名の応募があったとのこと。需要の大きさを伺わせます。

 

今後、ドイツの教育研究機関はどのように難民を研究の場に統合し、研究やテクノロジーの発展に繋げて行くでしょうか。大きな期待を持って見守りたいと思います。

 

参考:

Vom Flüchtlingslager ins Labor (Spectrum.de)

Flüchtlinge durch Bildung integrieren (ドイツ教育研究省HP)

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2 comments

  • Chika Kietzmann 様

    はじめまして、こんにちは。
    私は関西学院大学経済学部3年の 松木 耕と申します。
    突然ご連絡を差し上げるご無礼をお許し下さい。

    現在私はベルリンに留学生として滞在しております。
    本日、貴方のベルリンのジョブフェアについてツイートを拝見致しました。

    私事ではあるのですが、難民キャンプでの様子をレポートにしてハフィントンポストに寄稿しており、難民が仕事を得る過程について詳しく知りたいと存じます。大変お手数で恐縮ではございますが、ジョブフェアについて詳細を教えていただくことは出来ませんか。

    どうぞ宜しくお願い致します。

    松木 耕
    Koh Matsuki
    Kwansei Gakuin University, School of Economics
    E-mail: tumuji3kou@gmail.com
    Tel: +81-797-86-2832
    Mobile: +49-159-0367-6671

  • 松木様

    コメントを頂き、ありがとうございます。

    ツイートした難民のためのジョブフェアはこちらのリンク記事の通りです。

    http://www.adlershof.de/termin/event/detail/infoabend-jobs-for-refugees-in-berlin-stellenboerse-fuer-gefluechtete-menschen/

    ベルリンにお住まいとのことで、ドイツ語情報をそのままお伝え致しますが、ご了承ください。記事下部にあるリンクを通して主催者にコンタクトを取れば、今後、イベント情報をメールで送ってくれると思いますよ。

    ドイツの難民受け入れについて日本へ発信することはとても有意義と思います。記事を発表なさったら、是非お知らせください。

    Chika Kietzmann

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