ライフサイエンス分野で市場をリードするナノテク企業、PolyAnを見学

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戦後、東西に分断されていたこともあり、西側の主要な都市と比較してあまり産業が発達していなかったドイツの首都、ベルリンですが、この数十年、いくつかの産業分野において企業や研究所のクラスターがベルリンおよびその周辺地域に形成され、基幹産業として急激に発展しています。中でも発展目覚ましいのがライフサイエンス分野。現在、数多くのバイオテクノロジー企業や製薬会社、ヘルスケア関連企業などがベルリンに集まって来ています

 

今回、機会を得て、急成長中のバイオテクノロジー企業の一つ、ベルリン、パンコウ地区にあるPolyAn社を訪問して来ました。

 

同社のCOO、Lechhart氏は一個人の訪問を快く受け入れてくださり、会社の概要や製品についてわかりやすくご説明頂いた後、ラボも見学させて頂きました。

 

PolyAn社は1996年の創立以来、特殊な表面工学技術を使ってライフサイエンス分野の研究や医療検査で使われるバイオアッセイの基板やマイクロ粒子を開発しているナノテクノロジー企業です。微量で濃度の低い検体を扱い、複数のパラメーターについて短時間の検査が要求される医療検査やライフサイエンス分野の分析試験において、高感度のアッセイ基板の必要性はますます重要となっています。PolyAn社製のマイクロアレイスライドや96ウェルプレートは非常に高感度であるため、ドイツだけでなく欧州市場においてトップクラスのシェアを獲得しており、また北米・アジアでも広く使用されています。

 

同社が最初に開発した製品は、表面を特殊加工したマイクロアレイスライド。下の写真のようなプラスチック製またはガラス製のスライド表面が特定の生物分子と結合するバイオセンサーを含むナノゲルでコーティングされています。

 

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スライドの四角い部分にバイオセンサーが配置されている。

MSE-services logo

PolyAn社製マイクロアレイスライドの表面構造(画像提供:PolyAn)

 

ナノゲルは上の図のような立体構造をしています。木のような構造の先についている赤い玉が特定の生物分子と結合する官能基で、検体中のターゲット分子と結びつくことでバイオセンサーとして働きます。それよりも小さく数の多いグレーの玉は、検体中に含まれるターゲット分子以外の分子がセンサーに付着しないようにするためのアンチファウリングコーティングというもので、これがノイズを低減させ、センサー感度を高めます。

 

PolyAnのマイクロアレイスライドは医療診断用の低密度スライドから血漿スクリーニング用の非常に高密度のスライドまで幅広く、様々な用途に使われています。特に多く使われている分野は、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウィルス(HPV)の検査だそうです。また、「CarnoCheck」と呼ばれる加工食品中の肉のDNA分析等にも使われています。

 

もう一つの主製品はビーズとも呼ばれるマイクロ粒子で、PMM(ポリメチルメタクリレート)のコアの表面に上述のスライドと同様のナノゲルを付着させたもの。一枚のマイクロアレイスライドに化学的性質の大きく異なる多くのセンサーを配置することは難しいため、スライドは性質が違いに似た分子の大量分析には適していますが、性質が大きく異なる分子の分析にはあまり向きません。また、分析検査によってはスライド全体を使用する必要のないものもあります。そこで、特定のセンサーを埋め込んだ個々のビーズを組み合わせて使うことで、効率良く分析を行うことができるのだそうです。ビーズコアの中には様々な蛍光色素が埋め込まれ、それがターゲット分子と反応するとビーズ表面にコロナが発生して明るく光ります。(下の図を参照)どのビーズに反応があったかを見ることにより、検体にどの生物分子が含まれているかを知ることができ、また反応の強さ(明るさ)から検体中の分子の濃度を計算できます。

 

PolyAn社製マイクロ粒子の表面構造(画像提供:PolyAn)

PolyAn社製マイクロ粒子の表面構造(画像提供:PolyAn)

 

 

マイクロ粒子の入った液体。

マイクロ粒子の入った液体。

ビーズの周囲に発生したコロナ(画像提供: PolyAn)

ビーズの周囲に発生したコロナ(画像提供: PolyAn)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーズの反応を見るラボ技師さん

ビーズの反応を見るラボ技師さん

 

PolyAn社はまた、蛍光イメージング機器用校正アプリケーションも開発製造しています。PolyAnの蛍光色素は下のグラフで明らかな通り、非常に安定しているため、長期間に渡って高品質が保たれます。

Stabillity_fluorophores

上から赤、オレンジ、緑のグラフがPolyAnの蛍光色素(画像提供:PolyAn)

 

さらに、PolyAn社は業界において最も幅広い製品ポートフォリオを用意しているだけでなく、顧客のニーズに応じたカスタマイズサービスも提供しています。

 

1時間に渡る訪問の間にまだまだたくさんお話しを聞かせて頂き、お土産に資料も頂きました。とても興味深く、勉強になりました。

 

PolyAnのテクノロジーや製品についてご興味のある方は、こちらから直接PolyAn社に英語でお問い合わせ頂くか、以下の日本での輸入販売元へお問い合わせください。

 

日本での販売元:

CytoTechs, inc.
3628-46 Kandatsu-Cho,
Tsuchiura city, 300-0013 Japan
Tel: 029-834-7788
Fax: 029-834-7772
Cellular: 090-7012-7478
E-mail: j.iijima@cytotechs.com

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