オンラインで科学実験

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先日、サイエンス関連のイベントで自己紹介をする機会があり、「オンライン大学で自然科学を勉強しながら科学技術分野の翻訳の仕事をし、サイエンス系ブログを書いています」と自分のことを説明したところ、

珍しい!!

と驚かれました。

 

MOOCがどんどん広がる中でオンラインで大学の講座を受講するということはすでに珍しくなくなっていると思いますが、自然科学をオンラインで学ぶ、それも学位取得を目指すというのは多くの人にとって、やはり一般的な選択肢ではないのでしょうね。私がドイツにいながら英国オープン大学に入学したのも、当時、ドイツ国内に自然科学のオンライン講座を提供している大学が見当たらなかったというのが理由の一つだったので、まだまだドイツでは認知度が低いようです。そしてきっと、日本でも?

 

実験はどうするの?

 

そこが一番不思議がられる部分です。私も自分が始めるまでは、自然科学には実験がつきものなのに、オンラインだけで大丈夫なのだろうかと半信半疑でした。

入学当初、オープン大の理学部のカリキュラムには自宅学習のみの講座とスクーリングを受けなければならない講座とがありました。スクーリングは主にラボでの実験のためで、1〜2週間、大学のキャンパスに滞在して集中的に実験をすることになっていました。しかし、現在、理学部のカリキュラムにはスクーリングを必須とする講座はありません。なぜなら、実験は徐々にバーチャル実験室での実験に置き替えられていったからです。

 

しかし、すべての実験をバーチャルで行うわけではありません。私の在籍している理学科は生物・化学・地学・物理を幅広く学ぶ学科なので、実験の種類もそれだけ多いのですが、フィールドワークや自宅のキッチンでできる実験はリアルに行います。土壌や水質調査、動植物の観察などがそれにあたります。ただ、実験のレベルが上がるに従って、測定や分析装置が必要になって来ます。そこで、オープン大学ではバーチャル実験室を用意し、学生がシミュレーションによってデータを取り、解析できるようにしているのです。

 

このバーチャル実験室はオープン大学の学生だけでなく、外部からもアクセスできるので、よければ覗いてみてください。

 

The Open Science Laboratory

 

けっこういろんなことができるんですよ。たとえば、、、、

 

Screenshot 2015-12-08 18.54.49

バーチャルラット飼育室でラットの飼育や訓練をしたり

 

コウモリの組織を顕微鏡で見たり、、、

コウモリの組織を顕微鏡で見たり、、、

 

岩石標本を分析をしたり、、、

岩石標本を観察したり、、、

 

Screenshot 2015-12-08 20.33.56

ガスクロマトグラフ質量分析による水源の農薬汚染分析や、

 

Screenshot 2015-12-08 20.40.07

ショウジョウバエDNA断片のPCR分析とか、、、

 

マイクロピペットの使い方もバーチャルで練習しましたし、水質調査ではオープン大学のリアルラボから遠隔操作でビデオアクセスしてBOD値を読み取ったり、O157の検出実験をしたり、他にもいろいろ、、、。

 

う〜ん、でもバーチャルの実験ってリアルのとは違うんじゃないの?と言われそうです。はい、確かにその通りです。それはやはり全然違うと思います。いつか本物のラボで本物の装置を使って実験してみたいものです。

 

でも、バーチャルではあっても、実験装置を使って自分でデータを取る、そしてそれを分析するというのはとても面白く、勉強になりますよ。私の場合は研究者になるのが目的ではなく、翻訳者として少しでも科学研究の現場について知っておきたいというのが学習の動機なのですが、「xxの実験では………という装置を使って△△を測定します」と文章で読んだり、動画を見るだけでなく、能動的にやってみたという経験が翻訳の仕事をする際に役立っていると実感しています。

 

そしてオープン大学のバーチャル実験室は日々、進化しています。オープンアクセスなので、中・高生も利用できます。シチズンサイエンスの発展にも役立つのではないでしょうか。

 

 

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