動物を殺さずに作るModern Meadowのエシカルな革製品 

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欧米諸国では、人間の生活のために動物を殺すことの是非がしばしば議論されています。ベジタリアン人口が若い人たちを中心に増加しており、その中でも特に厳格な「ビーガン」と自らを称する人たちは動物性の食品を口にしないだけでなく、動物由来の一切の使用をを良しとしません。

そして、ベジタリアン・ビーガンでなくても、動物に苦痛を与えることは最小限にすべきというのが欧米社会のコンセスサスとなりつつあり、様々な方面で状況の改善に取り組む人たちがいます。

当ブログでもこれまでに、ドイツにおける以下のような取り組みをご紹介して来ました。

 

動物実験代替法の開発 ドイツの現状

動物実験の7割を代替できるTissUseの人工臓器チップ

ベルリン自由大学の学生が乳牛の健康を守る飼料添加物を開発 

 

でも、動物性のもの一切を避けるというのは、とても難しいことです。住んでいる環境によっては、肉や魚を食べないという決断そのものが大変な上、植物性のものだけを食べたり使ったりしているつもりでも、そうした製品の加工の段階で動物性の素材が使用されている場合も多いですね。

また、動物の福祉を考慮すべき一方で、人はやはり生活やお洒落も楽しみたいと思うものでしょう。

特に革製品は独特な質感があり、ファッションアイテムの素材として不動の人気がありますね。

動物が殺されるのは嫌だけど、革のバッグはやはり魅力的だし、、、、。そんなジレンマを抱えている人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、今、画期的な方法で皮革製品の製造に挑戦するスタートアップ企業があります。

 

期待を集めているのは、ニューヨークのスタートアップ、Modern Meadow
Screenshot 2016-07-16 18.11.09

 

動物を殺さず、有害なケミカルも使わずに作るオーガニック・レザー。 動物の皮膚から摂取した天然のコラーゲンを培養して作る人工の本物の皮革(変な言葉ですが)。
Screenshot 2016-07-22 21.51.04
生物の細胞を培養することで組織を作り、生き物をを殺すことなく動物由来の製品を作る「Biofabrication」のコンセプトは2013年、Modern Meadowの創立者の一人であるAndreas Forgacs氏が以下のTED Talkにて提唱しています。

 

Modern Meadowの製法により、製造時の廃棄物の量も従来の方法と比べて80% カットできるとのこと。

さらに、顧客のニーズに応じた特徴を革に持たせるよう、培養過程でエンジニアリングすることが可能だそうです。

 

生物の細胞を培養し、動物由来の製品を作る「Biofabrication」の技術は、人工肉の分野でも研究が進んでいますね。人工肉の方は、最初聞いたときには「美味しいのだろうか、、、」と少し気味悪くも感じたのですが、最近、人工肉を試食している動画を見て、「そのうち、こういうものが普通に受け入れられる時代が来るのかもしれない」とも思いました。そのあたりのことは、私にはまだまだうまく想像できませんが。

 

でも、食べる方はともかく、革製品に関してはうまく行けば、動物の福祉において大きな一歩となる予感がします。

 

 

参考:

Echtes Leder ohne Schlachtung: Bio-StartUp erhält 53 Millionen Dollar von Investoren

 

 

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5 comments

  • 以前のブログの読者です。こちらのブログに偶然辿りつくことができて、うれしいです。
    あいかわらず、ドイツにいながら情報をあまり知らない情弱の自分に、ためになります。

    私の息子も、流行に漏れず、肉をずいぶん前から食べませんが、
    人工肉ができたら食べると言ってました。
    まだ、未来のことと思ってましたが
    この記事の時点で、人工の本物の皮革ができたということは、肉も近いのでしょうね。

    最近、イスラエルの歴史家のHirariが書いた、Homo Deusという本を読みました。
    人類の歴史とは、動物の虐殺と、虐待の歴史だったのだということに、いまさら気づかされ、
    私自信も肉を食べられなくなりました。

    Hirariの本には、人類の未来の予想が書かれているのですが、
    今、サピエンスである人類は、バイオテクノロジーと、アルゴリズムを利用して、
    次なる段階、デウス(神)になるつもりでいるとあり、
    人類のエゴイストぶりや、人工知能に支配されるかもしれないことに、
    心配な気持ちにさせられました。

    このブログには、
    人類も、動物も、環境も幸せになれるテクノロジーが満載で、安心できます。

    • さとこさん、お久し振りです!お元気でいらっしゃいましたか。

      さとこさんと息子さんはお肉を食べないのですね。肉食については私もしばしば考えます。なかなか答えは出ないのですが。
      科学技術は使いようによって、良くも悪くもなりますね。未来が明るくなるようなテクノロジーを紹介して行きたいと思っています。

  • キーツマンさん、いえ、これから、ちかさんと、お呼びしますね。
    ほんとに、お久しぶりです。

    実は、私は、今でも、カバンにグミをしのばせていて、
    ときどき食べているので、肉食を完全にはやめられないでいます。
    グループ会食のときも、せっかく料理されたものは肉でも口にします。

    夫も息子も、肉はたべませんが、
    魚貝、卵、乳製品、はちみつは、食べるので、
    Veganからほど遠いです。

    去年だったか、ダーレムにある農園に行き、そこに豚がいたので、しばし触って遊び、
    あまりにも人懐っこくて可愛いかったので、それ以来、私も、肉を買うのに、少し抵抗が。
    さらにハラリの本を読んで、ほ乳類の母子関係に思いをはせてみたら、
    自分ひとりのときも、肉の塊が買えなくなりました。

    これほどにも、人類が、平気で、動物を虐殺虐待できるようになったのは、
    一神教宗教の発生からきている、ということも、ハラリの本が、うまく言い表しています。
    若い時に、私の同級生が、カトリック教徒になったのですが、
    彼女は、私に、熱心に魂の話をしてくれ、そのとき、
    「動物には、魂がない」とキッパリ言ったことを思い出されました。

    もしまだお読みでなかったら、
    Harari の Homo Deusは、おすすめです。
    原文は英語です。ドイツ語訳はでてますが、
    まだ、日本語訳がでてないようなので、
    こういう本は、ちかさんのような人が、訳したらいいのに、と思いました。

    (なぜか、何度も、画像認証がエラーになってしまいます。)

    • 昨日のコメントで、本の作者の名前が、なぜか、まちがってしまってました。正しくは、Harariです。

    • さとこさん、

      本の情報もありがとうございます。読んでみたいと思います。最近、いろいろな博物館を訪れ、歴史にも興味が出てきたところです。人と他の動物との関係の歴史的推移、興味深そうです。

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