エネルギー自給村、フェルトハイムの学習センター

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ドイツ初の、そして今のところ唯一の「エネルギー自給村」としてドイツ国内はもとより、世界中から注目を集めるブランデンブルク州フェルトハイム村は、首都ベルリンから南西におよそ70kmに位置しています。

 

人口約130人、面積15.7km2の小さなフェルトハイム村が再生可能エネルギーによるエネルギーの100%自給を実現したのは2010年。村で栽培するトウモロコシや穀物から出る有機ゴミを燃料としたバイオガス装置、43基の風力タービン、そして45ヘクタールのソーラーファームにより、電力・温水を自給するだけでなく、村独自の送電網を持つまさに「サステイナブルな村」として現在ではドイツ国内で最も重要なエコツーリズム拠点の一つ。世界中から多くの視察団が訪れています。

 

また、フェルトハイム村は「Neue Energie Forum Feldheim(ノイエ・エネルギー・フォーラム・フェルトハイム)」という再生可能エネルギーに関する学習センターを設け、フェルトハイムのこれまでの経験やエネルギー自給ノウハウに関するプレゼンテーションや中高生を対象とした学習会などを提供しています。2週間ほど前、準備中だった展示ルームが完成しました。

 

展示は毎週、木曜日の10:00 〜12:00および13:00〜16:00まで無料で閲覧できるとのことで、見学に行ってきました。私の自宅からは車で45分ほど。

 

フェルトハイムの再生可能エネルギー学習センター

フェルトハイムの再生可能エネルギー学習センター

ドアに鍵がかかっていたので不安になりましたが、呼び鈴を鳴らすと、隣の建物から女性が出て来ました。「展示を見せて頂きたいのですが」と言うと、「あら、あなた達が第一号!」と言いながらセンターのドアを開けてくださいました。

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展示ルームは小さいのですが、フェルトハイム村のモデルが置かれ、エネルギー自給に至った経緯、それぞれの設備の説明などを英語とドイツ語で読むことができます。

 

展示によると、村は最初からエネルギー自給を目指したわけではなく、住民によるステップの積み重ねが村を再生可能エネルギーの村へと導いて行ったとのこと。1995年に当時まだ大学生だった村の住民、ミヒャエル・ラッシェマン氏が他の住民の許可を得、4基の風力タービンを建設したことから始まりました。2006年には風力タービンは43基となり、2008年にバイオガス設備およびソーラーファームを建設、さらに2009年から2010年にかけ木材チップボイラーを設置。2015年現在は安定した電力供給を保証するため、蓄電施設を構築中です。

 

展示ルームから裏庭に出ると、風力タービンが展示されていました。

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羽がついていない状態です

 

なんと、タービンの中に入らせて頂きました!

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羽根を取り付ける部分

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これが羽根

 

学習センターのすぐ裏にバイオガス設備と木材チップボイラーがあります。

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木材チップボイラー

木材チップボイラー

このチップを使う

このチップを使う(クリックで拡大します)

 

その後ろは43基のタービンが並ぶ風力パーク。

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過去20年ほどの間、次第に過疎化していたところを再生可能エネルギーで見事、村興しに成功したフェルトハイム村。ノイエ・エネルギー・フォーラムの学習センターは今後さらに学びの機会を提供してくれそうです。

 

フォーラムではそれぞれの視察団のニーズに応じたガイドツアー(有料・要予約・英語もしくはドイツ語)を提供しています。予約はフォーラムHPのガイドツアーページ(英語)からできます。

 

視察の際の日本語への通訳、承ります。(お問い合わせはc.kietzmann@t-online.deまで、お気軽にどうぞ)

 

追記: 2015年9月13日、フェルトハイムでヨーロッパ最大のリチウムイオン蓄電システムが稼働しました。体育館ほどの大きさのこの蓄電システムは、出力10MW、容量10MWh、エネルギー効率は85%で、蓄電池モジュールは韓国のLG Chem社製。ブランデンブルク州経財省がおよそ500万ユーロをこの蓄電システムのために拠出しています。

この蓄電システムが実現したことで、電力の需要と供給の変動に即時に対応し安定した供給が可能となりました。ドイツのエネルギー転換計画が、また一歩前進したと言えます。

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