シチズンサイエンス・プロジェクト、Evolution MegaLabに参加してみました

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先日、当ブログでシチズンサイエンスについて取り上げました。インターネットが普及した現在は、研究者ではない一般の人でもデータを集め、科学研究に参加できるという話です。取り上げたからには自分もやってみたいと思っていたところ、オープン大学の課題でEvolution MegaLabというシチズンサイエンスのプロジェクトに参加することになりました。今日はそれをレポートします。

Evolution MegaLabというのは欧州に生息するカタツムリを分類するプロジェクトです。欧州ではcapaea nemoraliscapaea hortensisという2種類のカタツムリがよく見られますが、これらのカタツムリは個体によって色や殻の模様が異なります。そして場所により、そうした色や模様のタイプの分布が異なります。なぜ場所により多くみられる色や模様が違うのか、生物学者達が長年研究を続けているそうです。それぞれの地域の環境に順応して形態が変わっていったのだと思われますが、色や模様を決める要因は何なのか(気候やカタツムリを食べる鳥の生息状況など)、形態はどのように変化したのか(過去データとの比較)などを知るには、多くのデータが必要です。

科学者自身が欧州全域のカタツムリのサンプリングを行うのは不可能ですが、たくさんの人が採集に協力すればそれだけ多くのデータを集めることができます。一般の人にも採集を手伝ってもらおうと立ち上げられたのがこのEvolution MegaLabなのです。

 

では、実際にどんな風に参加するのか、お見せしますね。

まず、Evolution MegaLabのサイトにアクセスし、アカウントを作った後、ログインします。するとこのようなプロジェクトの説明ページが表示されます。

 

Screenshot 2015-10-18 21.17.57

 

サンプリングはどこで実施しても良いのですが、過去にどこでサンプリングが行われたのかを知るため、サイドバーのHistorical recordsというところをクリックします。

 

Screenshot 2015-10-18 21.11.03

 

欧州の過去のサンプリングサイト(円グラフの場所)が表示されました。ドイツにもたくさんあります。地図を拡大して我が家に最も近いサイトを探したところ、、、。

 

Screenshot 2015-10-18 21.29.55

隣村のイラクサの草むらで1955年にサンプリングが行われていたことがわかりました。

そこで、どうせなら同じ場所でサンプリングした方がいいと思い、自転車を飛ばしてカタツムリ探しに出かけたのですが、GPSデータで探し当てた場所は今は芝生になっていました。60年も経過しているので環境が変わってしまっているのですね。芝生にはカタツムリは見つかりそうになく、近くにもイラクサの生えているところは残念ながら見当たりませんでした。

どうしたものかと思ったのですが、同じ場所でサンプリングするのは諦め、うちの庭にカタツムリがたくさんいるので、家の庭でサンプリングすることにしました。楽だから、というのが大きな理由ですが、集めたカタツムリはまた元の場所へ戻しておかなければならず、隣村で捕まえたカタツムリを家に持ち帰って分類して、また戻しに来るのが面倒でした、、、。(寒かったし)

さて、家の庭でカタツムリ探しをしたところ、季節外れ(10月半ば)のため、あまり多く見つけられなかったのですが、とりあえずこんな感じで集まりました。

TES_0157

いろんな色のがいますが、全部同じ種類のはず。どうやってわかるかというと、、、。

IMG_1349 (1)

カタツムリの殻口の縁が黒い。Capaea Nemoralisというカタツムリ。日本名はモリノオウシュウマイマイだそうです。似た種類にcapaea hortensis(ニワノオウシュウマイマイ)がいますが、そちらは成虫の殻口の縁の色が白いので見分けられます。成長しきっていない小さいカタツムリは縁にまだ色がついていないので、見分けるのは難しいです。ですから、成虫だけを集めます。

 

次に、集めたカタツムリを分類するため、再びサイトにアクセスします。

Screenshot 2015-10-18 21.10.26

分類ページを開け、どの種類がいくつ見つかったか、数値を書き入れていきます。分類は色と殻の模様(色帯の有無と本数)。モリノオウシュウマイマイの色は「黄色、ピンク、茶色」の3つに分け、模様は「色帯なし、色帯一本、色帯複数」の3種類に分けます。入力し、送信ボタンを押すと、結果がグラフとなって表示されました。

TES_0170 (1)

 

ドイツ語表示になってますが、、、。うちの庭には殻が黄色く、色帯が複数本あるものが一番多いという結果が出ましたが、サンプリング数がわずか21個体なので、これでは庭全体の比率はわかりませんね。でも、庭には黄色、ピンク、茶色のすべての色のカタツムリが生息し、ピンクの殻のカタツムリには色帯のないもの、一本のもの、複数本あるものの3種類がいるということはわかりました。これがわかっただけでも、ちょっと面白いです。

今まで「うちの庭にはカタツムリがいるなあ」とは思っていましたが、種類を調べたことはありませんでした。(うっかり踏み潰したことも、、、、)でも、いろんな種類がいるとわかったことで、来年の夏にゾロゾロとたくさん這い出して来たらどんどん捕獲して分類し、どの色と模様のものが最も多いのかを調べたくなりました。他の人たちがアップした近隣のサンプリングデータと比較するのも楽しそうです。

というわけで、私のシチズンサイエンスデビュー、なかなか楽しかったです。今回は初回ということでほんの小さなデータでしかありませんが、こんな風に楽しんで科学に貢献できるのはいいなあと思いましたよ。

このプロジェクトに限らず、シチズンサイエンスのプロジェクトは他にもいろいろなものがあります。小学校の夏休みの自由研究としてもいいかもしれません。そういえば、以前、家族で沖縄へ行ったとき、子供たちと一緒に夢中になってヤドカリを集めたり、星砂を拾ったことを思い出しました。あれもどこかに登録できたらよかったのに、、、、。

 

庭仕事のついで、家の周りの散策、山や海での休暇のさいなどに、気軽に科学研究に参加してみるのはいかがですか?

 

 

 

 

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