フランクフルトからブルネイへ 海を超えた遠隔医療

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医療機関の少ない過疎地などに住む人がインターネットを使って病気の診察や治療を受けることを可能にする遠隔医療(テレメディスン)が注目を集めています。

 

それほど酷い症状はないけれど医師の処方箋の必要な薬が必要なとき、わざわざ遠くの病院へ行って待合室で長時間待たされたくない。インターネットを使って医師に相談できたらいいのに、、、、と私も思うことがありますが、ドイツでも遠隔医療が普及しているとはいえません。

 

と思ったら、ドイツ国内どころか、いくつもの海を超えてはるかブルネイの患者の治療に当たっているドイツの医療機関があると知り、びっくりしました。

この驚くべき超遠隔医療を実施しているのは、フランクフルトのノルトヴェスト病院(Krankenhaus Nordwest)

 

ことの始まりは、2009年、ブルネイ・ダルサラーム国スルタンの同病院神経科への入院です。当時、スルタンは脳膜炎を患いましたが、ブルネイには神経科の最新設備を備える病院がありませんでした。そのため、フランクフルトまで運ばれ、ノルトヴェスト病院でUta Meyding-Lamadé神経科教授・医局長の治療を受けたのです。最先端の治療のおかげで、幸い3週間後には完治。感激したスルタンは「ブルネイにもこのような神経科クリニックを作って欲しい!」と要請。Meyding-Lamadé医局長はスルタンの招待で現地を訪れ、翌年、Jerudong-Park Medical Center (JPMC)およびNeuroscience Stroke and Rehabilitation Center (NSRC)を設立しました。

 

しかし、「是非ともこのままブルネイに残り、医院の運営や患者の治療に当たって欲しい」とのスルタンの要望にMeyding-Lamadé医局長は応じることはできませんでした。フランクフルトで家族がお母さんの帰りを待っています。それならばと、フランクフルトから遠隔操作でブルネイの患者への医療を行うことになりました。

 

2010年半ばにオープンしたJerudong-Park Medical Centerは、現在、約40名の入院患者を受け入れており、フランクフルトから派遣したドイツ人医師チームと現地医師らが日々、治療に当たっています。一週間に一度の「教授先生の回診」時には、こちらの機械が病室へガラガラと運ばれ、Meyding-Lamadé教授自らがモニターを通して回診するのだそうです。

 

Teledoc (Image: VIMED)

Teledoc (Image: VIMED)

 

現地とフランクフルトの病院スタッフとは毎日ビデオ会議を行い、診断結果や検査結果について話し合います。ノルトヴェスト病院ではブルネイから送信されて来たデータを分析し、必要なアドバイスを与えることで、専門医としてのスキルがまだ十分でない現地医をサポートしています。このシステムにより、Jerudong-Park Medical Centerではこれまでに約3000 人の患者が脳膜炎や脳卒中から認知症、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病に至るまでの広範囲に渡る脳神経疾患の治療を受けています。現地医は定期的にフランクフルトで研修を受けます。

 

ドイツからブルネイへ。地球の裏側の別半球へインターネットで医療を提供するなんて、すごいですね。こんなことが可能なら、やる気になればなんでもできるのではという気がして来ます。

インターネットの威力にはいつも圧倒されている私ですが、いつか、国境を超えたグローバル医療が当たり前になるのかもしれませんね。

 

 

参考:

http://www.krankenhaus-nordwest.de/kliniken-und-medizinische-einrichtungen/neurologie/kooperationen/brunei-darussalam.html (Krankenhaus Nordwest のHP内関連ページ)

http://rotary.de/visite-per-telemedizin-a-3837.html

http://www.vimed.de/de/systeme/vimed-teledoc.php?lang=en (Vimed ®TELEDOCのHP 英語)

http://www.faz.net/aktuell/rhein-main/frankfurter-nordwestkrankenhaus-nutzt-telemedizin-13842801.html (Diagnose aus 12.000 Kilometer Entfernung)

 

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