クモの糸でスキンケア 合成クモ糸タンパク質を配合したAmSilkのコスメティック

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家の近所の森の中を散歩していると、ときどき木の枝に張られたクモの巣に引っかかるのですが、クモの糸って、髪の毛や洋服につくとなかなか取れないですね。

 

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(Flickr/Mary Loftus)

軽く柔軟なのに丈夫なクモの糸。熱に非常に強く、抗菌作用を持ちます。この優れた天然素材を産業利用できないかと、世界で研究開発が進められています。クモの糸と一口に言っても、クモは7種類の異なる糸を用途によって使い分けています。丈夫な枠糸、伸縮性に優れた捕獲螺旋、天然の接着剤である吸着盤、卵を包み込む糸など、その糸のタイプにより性質は様々。クモ糸が持つそれらの性質をさまざまな分野に応用し、生分解性を持つ医療用シルク、テキスタイルのコーティング材、梱包材などを作ることができるのではないかと期待されています。

 

日本では、Spiber社がクモフィブロインベースのタンパク質素材「QMONOS®」を使ったアウタージャケットを開発して注目を浴びていますが、ドイツでも研究が進んでいます。中でもミュンヘン郊外Martinsried所在のバイオテクノロジー会社AMSilkは、クモ糸繊維、Biosteel®Fiberの合成に成功し、この合成クモ糸を使った手術用縫合糸や高機能テキスタイルなどを研究開発しています。同社はそしてさらに、クモ糸タンパク質配合の化粧品も作っているのです。

 

 

AMSilkのコスメティックプロダクトラインはシルクビーズシルクジェル。シルクビーズは白いマイクロ粒子の粉末で、スキンケア製品の色を変化させることなく簡単に混ぜ入れることができます。このシルクビーズを配合したクリームは保湿効果に優れているだけでなく、柔らかいテクスチュアで、香料やその他の有効成分を包み込むため、化粧品の効果が高まり、長持ちするとのこと。余分な脂分はシルクビーズが吸収するので、肌の表面はサラッとした感触になり、光散乱効果で影を見づらくさせる「ソフト・フォーカス効果」で小皺が目立たなくなるそうです。

シルクジェルは皮膚の上にもう一枚別の皮膚を重ねるように膜を作って外界からの刺激から肌を守ります。しかし、酸素を通すので皮膚呼吸が遮断されることはありません。

どちらの製品も保湿性が非常に高いため、さらにグリセリンなどを添加する必要がなく、殺菌効果も発揮します。

AmSilkはOcean Pharma社と共同で「呼吸するマニキュア」、OXYPERMを商品化しました。Ocean Pharma社の宣伝によると、このマニキュアは酸素を通すので、従来製品で爪が傷んでしまった人にも安心だそうですよ。(私はマニキュアを使わないので、よくわかりませんが、、、、)

 

また、AmSILKはBiosteel®を使った胸インプラントのコーティング材も開発中です。クモ糸の抗菌作用が微生物によるインプラント表面におけるバイオフィルムの形成を防ぎ、手術後の炎症や拒絶反応を抑えられるそうです。

 

参考:

AMSIlk HP

Amsilk präsentiert innovative Produkte mit Seidenbiopolymeren auf der Incosmetics Paris

SWR2 Wissen Podcast “Spinnenseide: Naturprodukt der Zukunft”

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Also published on Medium.

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