ドイツの高校生が国際宇宙ステーションで実験。クラウドファンディングで実現

LINEで送る
Pocket

どこの国でも研究者の方たちは研究費の獲得に苦労されていることと思います。そのために費やす労力と時間がいかほどのものであるかは、私にはわかりせんが、、、。

でも、近頃はインターネットを利用して一般社会から広く資金を集めるクラウドファンディングにより科学研究プロジェクトを実現させる動きが高まって来ました。

2012年にドイツで立ち上げられたSciencestarterはそうした学術系プラットフォームの一つです。

プラットフォーム上のプロジェクト提案を見て「この研究、面白そう」と思ったら、誰でも資金を出しプロジェクトの支援者になることができます。あらかじめ設定した目標金額が達成されるとプロジェクトが開始される仕組みは、他のクラウドファンディングと同じ。5〜10ユーロくらいの小額から支援することができ、支援者は提供した金額に応じた特典が得られます。

こうした資金調達のシステムは市民と研究者を結びつけ、市民が科学研究について知り、また市民が自ら知りたいと思うことが研究されることにも繋がるというメリットがありますね。

このSciencestarterのプラットフォームを通じて実現した研究プロジェクトの中で、私が特に面白いなあと思ったのはこんなプロジェクトです。

 

レーゲンスブルク市の3人の高校生による研究プロジェクト、V3P0 (Vegetative Vermehrungsfähigkeit Von Pflanzen im Orbit 軌道における植物の栄養繁殖)。

 

宇宙飛行士らがミッションの間に食べるのは宇宙食。新鮮な野菜を食べることはできません。数日間の短いミッションであればよいですが、火星ミッションとなると長期に及ぶので新鮮なものが食べられないのは大変です。これをどうにかできないだろうかと考えたV3POチームは、無重力下で植物が繁殖可能かどうかを国際宇宙ステーション(ISS)で実験することを思いつきました。無重力下における種子からの植物繁殖の実験はすでに行われていますが、種子による繁殖には生育した植物の性質が安定しないというデメリットがあります。そこでこの高校生グループは、種子ではなく葉や茎などを使った栄養繁殖が無重力下で可能かどうかを研究することにしました。栄養繁殖のメリットは親株の性質が維持されることです。この方法で植物を繁殖させることができれば、長期ミッション中に安定した品質の野菜が供給が可能になるのでは、というのが彼らのアイディアです。

実験資金を得るため、また計画を社会にアピールするため、彼らはSciencestarterでプロジェクトを提案しただけでなく、インターネット・新聞・ラジオを使ってアイディアをアピールし、ブログを書き、あちこちの夏祭りで誰もが参加できる実験ブースを用意し、小学校を訪問して子供たちの好奇心に火をつけ、etc. etc., とにかくありとあらゆる手段を使ってプロジェクトを宣伝しました。その効あってSciencestarterで集まった金額はこれまでの最高額の40,540 ユーロ。そして、これがNASAの目に留まりました

NASAは彼らが国際宇宙ステーションで実験を行うことに同意し、全面的に協力しているそうです。国際宇宙ステーションでの実験と並行して、高校の実験室で対象実験を行います。実験のために選ばれた植物はイチジクの一種であるオオイタビ。現在、国際宇宙ステーションでの実験のメソッドを考案中だそうです。

 

(Image: Sciencestarter)

(Image: Sciencestarter)

 

意欲ある若者がこのように積極的に活動するのもすごいことですが、それを社会が支援しているのも素晴らしいと思います。

 

V3P0プロジェクトの進捗状況は彼らのブログで追うことができます。(ドイツ語)

英語の説明はこちらからどうぞ。

 

参考:

Recorde bei Sciencestarter

 

 

 

 

sponsored link

LINEで送る
Pocket




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA