医師の代わりに往診業務を行う地域の看護士さん、アグネス(AGnES)プロジェクト

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大きな都市には病院や医者の診療所がたくさんあるが、小さな町や村には少ない。そのような場所の住民はお年寄りが多く、体の調子が悪くなっても診察を受けるために遠くまで出かけるのが大変。ドイツにもこうした問題があり、数少ない地域の医師らは多くの患者への対応に追われています。

医師の負担を軽減しつつ、患者に安心できる医療を提供しようと、2005年、グライフスヴァルト大学病院がメクレンブルク・フォアポンメルン州とブランデンブルク州の一部で医療モデルプロジェクト、「アグネス(AGnES)」を開始しました。AGnESとはArztentlastende, gemeindenahe, E-Healthgestützte, Systemische Intervention医師の負担を軽減するための、地域に根付いた、IT技術を使った、全身への医療行為)の略。過去に旧東ドイツで大人気だった、地域の看護婦アグネスの活躍を描いたテレビドラマシリーズ、「シュヴェスター・アグネス(Schwester Agnes)」にちなんで名付けられたというこのプロジェクトは、診療所のスタッフではない地域の看護士が往診業務など、ホームドクターの仕事の一部を請け負うというもの。アグネスプロジェクトの看護士はモバイル機器を使い、患者を担当するホームドクターと音声またはビデオで報告や相談しながら患者の状態のチェック、医師から指示された医療処置、投薬の内容や服用状況のチェック、健康相談まで広範囲の医療行為を担当します。また、患者の健康状態はテレケア機器でモニターされ、患者が自ら測定した血圧や血糖値、体重、眼圧などの健康データは電子データとして医師へと送信される仕組み。

2008年に一旦終了したこのモデルプロジェクトは参加した医師や看護士からも患者からもとても好評で、現在、第二弾プロジェクト「AGnES zwei」を過疎地域だけでなく、都市を含めたブランデンブルグ州全域で実施中です。2014年半ばまでに養成されたアグネス看護士は90名。このプロジェクトでアグネス看護士が使うタブレット用アプリ、agnes zweiの開発にはアグネス看護士らも参加したそうです。

私が住んでいる地域の一般医もこのプログラムに参加しています。以前は、いつ診療所へ行っても待合室が一杯で長く待たなければなりませんでしたが、アグネス看護士さんのお陰で医者の負担が減り、患者も医療を受けやすくなっているなら、こうした形態の医療が今後、さらに充実して行くといいと思います。

参考:

グライフスヴァルト医大HPのプロジェクトページn(グライフスヴァルト医大HPより)

フラウンホーファー研究所、ドイツ・遠隔医療ポータル

ドイツの法定健康保険会社、AOKのサイト

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